木になる話

第22回 「剣道を想う ~その1~」 なぜ剣道はオリンピック競技にならないのか?

第22回 「剣道を想う ~その1~」 なぜ剣道はオリンピック競技にならないのか?

みなさんこんにちは!アーリーバードの井上賢二です。
私は幼稚園の頃から、足掛け45年間以上剣道に携わっています。
力量も大したことはないのですが、自分を育ててくれた剣道で地域に恩返しできたらと思い、ボランティアで指導をしています。家内も高校時代に剣道の経験があったので理解を示してくれ、2人の子供たちも小さい時から大学に至る現在まで剣道に触れてきてくれました。家族で同じ趣味を持てたことも幸せに思います。

さて、剣道をあまり知らない方が言われることに「剣道はオリンピック競技じゃないね。世界の競技人口が少ないからかな?」なんてことがあります。この答えはNOです。競技人口はサッカーやテニスとは比べものになりませんが、3年に一度開催される世界選手権には50か国の人々が集っています。ですから剣道は世界中に広がっている競技です。日本文化にあこがれて大人になってから剣道を始めるということも外国では少なくないようです。
では何が原因かというと「オリンピック競技にならないのではなく、オリンピック競技にしたくない日本剣道の考え方」にあります。「KENDO」ではなく「日本剣道」です。

日本人として広めていきたいのは武道としての「日本剣道」であり、スポーツとしての「KENDO」ではありません。
国際化とは文化の融合ですから日本文化を捨てることを意味しています。日本剣道とは精神的な向上や礼節を重んじ、日本刀の刀法に基づく剣の理法を追及しています。一方「KENDO」となってしまうと礼節は形のみになり、競技的側面を重視した勝利至上主義がはびこって、4枚の竹を合わせた竹刀「SHINAI」を使っての打突競技になることでしょう。日本人が行いたいのは、日本の潔い武士道文化を世界に広め、日本人自身がそうすることに恥ずかしくない人間性を身につけために日々修練をすることなのです。

昭和39年にオリンピック競技に採用され国際化した柔道が本当に成功したと思っている日本の剣道家は少ないと思います。逆に同じ道を歩まないようにしたいと思っている方のほうが多いのではないでしょうか。それは、「一本」が無くなりそれまでの日本文化などは関係なくルールが判りやすいように変更される剣道を想像したくないからです。

日本における剣道人口は現在170万人程度だそうです。
一方お隣の韓国は60万人程度。総人口は韓国が日本の4割程度であるので韓国も日本に負けないくらい剣道が盛んであることが理解できます。
この韓国は剣道をオリンピック競技化したいと考えています。先日東京日本武道館で行われた第16回の世界選手権大会でも韓国人の国際剣道連盟副会長が「剣道をオリンピック競技にしましょう」なんて挨拶をしました。
会場の拍手はパラパラ。韓国では剣道が韓国発祥だという主張もありますが、少なくとも韓国剣道が日本剣道のように長時間文化のなかで育ってきていないことは、オリンピック競技化に向けての考え方一つをとっても理解して頂ける事実だと思います。
みなさんのご意見お待ちしています。


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