木になる話

第23回 「剣道を想う ~その2~」 剣道世界選手権を見て

第23回 「剣道を想う ~その2~」 剣道世界選手権を見て

みなさんこんにちは!アーリーバードの井上賢二です。
平成27年5月29日~31日・日本武道館にて剣道の世界選手権が開催されました。世界52か国から集まった選手が個人、団体と熱戦を繰り広げ、特に外国人選手たちの礼節の素晴らしさが眼を引き、とても素晴らしい大会でした。
右腕に「剣道」という刺青を入れている選手、こんなデカい人に打たれたらと心配したくなるような大きな選手、ジャンピングして打つ選手も結構いましたし、日本でも珍しい二刀流同士の試合など世界大会ならでは風景もありましたが、特に驚いたのは選手が竹刀を落した時の外国人選手の所作です。彼らは、落とした竹刀の左側に廻り込み、左ひざをついて腰を下ろしそっと両手で拾い上げました。これは日本人の剣道家にとっては当たり前なのですが、今回私が見た外国人剣士全員出来ていました。いろんな所作や作法含め、負けても勝っても綺麗に礼をする外国人選手たちの姿は、剣道の素晴らしさが世界に伝わっていると実感することができました。

一方、少し気になったのは「三所隠し」が多かったこと。これは右手を上げ左拳をそれより上にあげながら「面、小手、胴」の3か所を一度に防御する姿勢のことで、これは身体の中心から竹刀が大きく外れるのでよい形とは言えません。強い外国チームはもちろん、特に勝利を運命付けられた男子日本チームの最終の決勝では多く見られました。代表チームは日本の最高峰の選手で優れた技術を持っていますしが、勝たねばならないプレッシャーの中で戦ったのですから批判的に意見するつもりは一切無いのですが、先のオリンピック競技化のところで書いた勝利至上主義にならない日本剣道の武士道精神からすると矛盾せざるを得ない試合運びに見えてしまうかもしれません。かといって小学生や中学生のように規制すべき問題でも全くないので、剣道発展のひとつの課題だと思います。

もう一つ気になったのは「合議」 。これは審判同士が判定に疑義があった時に話しあうことなのですが、イタリア人と韓国人とブラジル人が審判をしていたとしたら本当にその疑義に対してお互い納得できているのか?微妙な判定について自分の意見を短い時間ではっきり言って、理解し合っているのか心配になりました。審判レベルにも差があることは見受けられたので、これも今後の課題のように感じました。

今回、日本で開催された世界選手権は何年も準備してきた選手や運営した全日本剣道連盟の先生方の苦労は想像に難くないことでした。男子決勝戦を見た後、二十歳の娘が「私は剣道をしていて本当に良かった。」と言ってくれたのは大変うれしいことでした。同じように多くの出場選手や観覧した人たちもそう思ったことだろうと思います。そして、剣道を通じて世界のリーダーシップを取れる人材を育てていきたい。そう感じた大会でした。
みなさんのご意見お待ちしています。

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