木になる話

第76回 剣道指導者としてのあり方

第76回 剣道指導者としてのあり方

みなさんこんにちは!アーリーバードの井上賢二です。剣道には段位と称号というものがあります。段位は初段から八段まで、称号は練士、教士、範士とあります。今回は前回同様、教士試験の論文に出題される「剣道指導者としてのあり方」について、全日本剣道連盟発行の剣道指導要綱や講習会資料を参考に紹介します。

剣道の修行において適切な指導がされるか否かは、指導を受ける者の技能の向上や人格形成に大きく影響してくる。よって指導者は極めて重要な立場であることを自覚しなければならない。

指導者は、人格的にも道徳的にも指導を受けるものから尊敬され、目標となる人間でなければならない。指導者の技能の程度が高いことは学習者に信頼感を与えるが、そればかりでなく言動や立居振舞い、礼法や所作など注目されていることを自覚しなければならない。その上で指導を受ける者との肌を通した真剣な修練が、その者の技能向上や人格形成に大きな影響を及ぼしていることを理解し、「共に行う」ことが剣道の技術と精神を教える伝統的指導法であるので、指導を受ける者と「共に」自身の修養に努めなくてはならない。

その上で、指導を受ける者の年齢、性別、経験期間や練度などをみながらそれぞれに合わせた言葉や動作によって適切に表現し、単なる優劣にとらわれず、常に全員に愛情をもって公平かつ誠心誠意、指導にあたらなくてはならない。

また、剣道の教育的効果は人間形成にとって重要であるという確固たる信念をもち、指導を受ける者に合わせた指導によって、新しい知識や正しい技能、望ましい態度を学習者が身に付けて成長していく姿に喜びを感じることができなくてはならない。このような喜びは利害の上になり立つものではなく、奉仕的な取り組みによって得られる。

指導のしすぎは学習者の自主的な稽古の意欲や独立心を喪失させる。また、技術の矯正のみのとらわれる指導も個々の優れた才能の芽をつむかもしれない。試合に関しても単なる勝敗にこだわらず、長所を伸ばし、短所を直すバランスに留意すべきだろう。

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